日本人の誰もが知るスーパーカブ。このスーパーカブは50cc、70cc、90ccがあり、多くのライダーに親しまれてきました。
そして2009年に登場したのがJA07型。排気量が110ccにアップし、FI(フューエルインジェクション)を採用したのが最大の特徴。
さらに2012年にもフルモデルチェンジ。このフルモデルチェンジのタイミングで国内のホンダの工場から、中国の新大洲本田摩托有限公司(Sundiro Honda Motorcycle Co.,Ltd.)に生産を移しました。
中華製カブなんて呼ばれたりします。
この中国生産のスーパーカブ(JA10)が、実は不評がだったりします。
何が不評なのか?
今回はしっかりとまとめていきたいと思います。
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スーパーカブ(JA10)の特徴
冒頭でもお伝えしましたが、生産の拠点を日本から中国に移したのが最大の特徴と言えます。
他にもフルモデルチェンジだけあって変更点が多数あります。
- 車体を50ccモデルと110ccモデルで共用化
- タンデム用のシートがシングルシート+リアキャリアに変更
- テールランプ、リアウインカーの形状の変更
- フレームの剛性の見直し
- スイングアームを20mm延長
- 新車価格が21,000円安くなった
生産拠点を移しただけあって、本体金額が安くなったのは大きいですね。
スーパーカブの価格帯(当時228,900円※消費税抜き本体価格 218,000円)で21,000円の値下げはかなりインパクトがあります。
諸元表を以下に置いておきます。
興味ある方は見て下さい。
[ac-box01 title=”スーパーカブ(JA10)諸元表”]
通称名 | スーパーカブ110 | |
車名・型式 | ホンダ・EBJ-JA10 | |
全長×全幅×全高(mm) | 1,915×700×1,050 | |
軸距(mm) | 1,210 | |
最低地上高(mm) | 135 | |
シート高(mm) | 735 | |
車両重量(kg) | 98 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃料消費率(km/L) | 63.5(60km/h定地走行テスト値) | |
最小回転半径(m) | 1.9 | |
エンジン型式・種類 | JA10E・空冷 4ストローク OHC 2バルブ 単気筒 | |
総排気量(cm3) | 109 | |
内径×行程(mm) | 50.0×55.6 | |
圧縮比 | 9.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 5.9[8.0]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 8.5[0.87]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> | |
始動方式 | セルフ式(キック式併設) | |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料タンク容量(L) | 4.3 | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※ | |
変速比 | 1 速 | 2.615 |
2 速 | 1.555 | |
3 速 | 1.136 | |
4 速 | 0.916 | |
減速比(1次/2次) | 4.058/2.500 | |
キャスター角(度)/トレール量(mm) | 26°30´/73 | |
タイヤ | 前 | 70/90-17M/C 38P |
後 | 80/90-17M/C 44P | |
ブレーキ形式 | 前 | 機械式リーディング・トレーリング |
後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン式 |
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「安くなったということは品質が悪いんじゃないの?」
と思ってしまいがちなんですが、あながち間違っていないんですよね。
スーパーカブ(JA10)が不評な理由はこれだ
- 全体的に寿命が短い
- エンジン内の部品が壊れることも
- リコールが多い
スーパーカブ(JA10)が不評な理由①全体的に寿命が短い
90ccモデルよりも110ccモデルの方が故障が多いのは良く言われています。
- 2009年(JA07型)はタイでパーツを生産して熊本工場で組立
- 2012年(JA10型)は中国で生産
純国産だった時代に比べると110ccモデルは海外比重を高めているんですよね。
メイドインジャパンという言葉があるように、日本の工業製品は本当に品質が高いです。
バイクも当然同様。
- 「海外製のカブには乗りたくない」
- 「ホンダには失望した」
バイク屋で働いていた時は、モデルチェンジした直後にこんな声を聞いたことがなん度もありました。
もちろんホンダが太鼓判を押して生産、販売されている訳なので品質がひどいわけではありません。
ただ、以前の90ccモデルと比較すると品質面ではクオリティが下がったのは否めないです。
郵便局で働く知人がいるので聞いてみたことがあるのですが、90ccモデルのスーパーカブは20万kmぐらい普通に走ったそうです。
もちろんタイヤやチェーンなどの消耗品の交換は必須ですが、しっかりメンテナンスすればそれぐらい乗れるのが普通だと。
ただ、110ccモデル(JA07,JA10)以降のモデルは明らかに耐久性が下がったそうです。10万km持てば良いかなといったレベル。
それでも10万km以上は走れているので、一般的な走行ではよっぽど消耗しきることはないです。通勤やウーバーイーツ等でハードな使い方をする方がようやく気にするレベルかと思います。
寿命が短くなったとはいえ、20万km走れたものが10万kmになってしまったというレベルの話です。
一般的な乗り方の人はそこまで気にしなくて良いかなと思います。
スーパーカブ(JA10)が不評な理由②エンジン内の部品が壊れることも
エンジンとフレームはバイクの中で最も重要な部位です。人間だとエンジンは心臓に例えられることが多いですね。エンジン内のパーツは簡単には壊れないように出来ているのが一般的です。
バイクのエンジン内の整備は難しいですからね。外側から簡単に整備できる部位ではありません。エンジンを外側(上側)から順番に開けていってようやく整備出来る代物です。車種や修理箇所によってはエンジンをフレームから降ろす必要もあります。
もし、このエンジンが簡単に壊れたり、中の部品を頻繁に交換する必要があるなら整備代や手間が掛かりやすくなってしまいます。
さらに、走行中にエンジン内に異常が発生した場合は重大な事故に繋がる場合があります。バイクは消耗品の塊なので絶対に壊れないことはない訳ですが、エンジンの消耗が早かったり故障が多いと乗り続けるのが困難になってしまう場合があります。
先ほども書きましたが、スーパーカブ(JA07)はタイで部品を生産。
(JA10)は車体を中国生産。純国産だった90cc時代と比べると少しばかり壊れやすいと言えます。
スーパーカブ(JA10)が不評な理由③リコールが多い
リコールが多いと不安になりますよね。先日リコールで部品交換したばかりなのに、また新しい案内が届いてしまったり。
バイク屋で働いていたのでよく分かるのですが、リコールが頻発すると乗っている方は不安になるものです。
「自分のバイクはなにか欠陥があるのではないか」
このように考えがちです。
でも実はリコールが多いことは必ずしも悪いことではないです。
リコールは製品に問題がある(可能性がある)場合にメーカーが国土交通省に届出をします。リコールが受理されれば、対象の部位をメーカーが無償で交換してくれます。
- 部品代・工賃無料で新しいパーツに交換してくれる
- リコールはメーカーが問題を隠さずに真摯に対応した結果
”そのバイクを乗り続ける”という点ではリコールは悪いものではなく、むしろ良いものだったりします。
スーパーカブ(JA10)の良い評判
- 壊れにくい
- 燃費が良い
- 維持費が安い
ここまで、スーパーカブの不評な点をまとめてきましたが、悪い点ばかりではないのがスーパーカブ。
当たり前ですよね。全国・全世界であれだけ愛され続けている訳です。悪い評判ばかりではないのは当然です。
壊れやすさに関しては90ccモデルと比べると故障が増えたというだけで、一般的なバイクと比較した場合は壊れにくいと言えます。
しかも整備性が抜群なので、直しやすいのも特徴。中型・大型バイクと比べても部品代も安く済みます。
燃費は申し分ないですね。適当に乗ってもリッター50kmぐらいは走るはずです。メンテナンスをしっかりしている車体で停車回数も少なければもっと伸びるでしょう。
あと、原付には変わりないので維持費は安く済みます。
- メンテナンス代
- 自賠・任意保険料
- 軽自動車税
中型・大型バイクや自動車と比較しても維持費は圧倒的に安いです。
【まとめ】スーパーカブ(JA10)は不評もあるが人気も高い
- 全体的に寿命が短い
- エンジン内の部品が壊れることも
- リコールが多い
スーパーカブ(JA10)は不評な点もありますが、全国・全世界で長く愛されているバイクです。良い評判も多くあるので、悪いバイクということは絶対にありえません。
とはいえ、90ccの純国産時代と比べると故障が少し多いのは否めません。どうしても故障が嫌だとか、走行距離を極限まで伸ばしたいという方は90ccモデルをおすすめします。
それでも一般的なバイクと比べると壊れにくいですし、壊れても修理しやすく費用もあまり掛かりません。
日常の足や通勤で使いたいよという方には本当におすすめ出来ますよ!